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【中元普渡】ヘイ、ブラザー?! [台湾節慶&風俗習慣]

8月8日は 台湾では父の日 ( 8/8の発音とパパの発音が同じため )
と同時に 今年は中元節でもあった つまり旧暦7月15日だった
旧暦7月1日 地獄の 「 鬼門 」 が開き 「 鬼 」 が人間界へ出てくる
「 鬼 」 とは日本で言えば 「幽霊 」 
旧暦の7月は 「 鬼月 」 といって 30日に 「 鬼門 」 が閉まるまで この世には 「 鬼 」 がさまよう
中には帰る家がなく 人間界で 「 悪さ 」 をしていく 「 孤魂野鬼 」 もいるので
この月は海や山へ行くことはもちろん 遠出をしないほうがいいと言われ いろいろなタブーがある
彼らを 「 鬼 」 ではなく 「 好兄弟 」 と呼び  「 悪さ 」 をせずに満足してもらうため お供えをする
民間信仰の新穀祭で祖先を祭る習慣や 「 鬼門 」 が大きく開く日とされたり 
仏教の 「 盂蘭盆節 」 道教の 「 中元節 」 などが旧暦7月15日と重なり 
人々の生活に関わる一大行事となっているようだ

『 中元普渡 』 とは 「 好兄弟 」 のために ご馳走をしてあげることで 
特に14~16日 家の軒先で行う 
「 鬼 」 に入ってきてもらっては困るからだ 家の中はあくまでも祖先のためだそう
 
↑ フルーツ「龍眼」は枝があり 皮を二つに割って食べるので 「鬼」用のカゴになるんだって

この時期 「 家樂福 ( カルフール)」 や 「 愛買 」 など大型スーパーは24時間営業になったり
いろいろなサービスが登場したりする 夜でもカートいっぱいに物を買い込み まじ大混雑です
  家樂福の広告

もともと道教信仰が根強く 旧暦の毎月1・15日 ( 商業関係は2・16日 ) に 軒先や店先に
テーブルをしつらえ ご馳走をお供えしたり 冥途用のお金を燃やしたりする人も未だに多い

現代では宗教観や価値観の違いから 重要視しない人も増えているようだし
特に若い人になれば よく分からないとか またその細かい習慣にも地域差はあるようだ

この日は2時ごろ家を出た 中元の様子を見てみたかったからだ
軒先や店先でお供えをするのは 午後1時かららしい
1階の門を開けると 線香や紙を焼く匂いや煙が立ち込め 通りが全体的に 「 白く 」 なってる
「 鬼 」 に満足してもらえるように 飲み物や鶏の丸焼き 魚 肉 果物 お菓子などなど供える
「 鬼 」 にお供え用とわかってもらえるように それぞれ線香を立てておく
お供えの済んだ後は 自分たちで食べれるので 自分の好きなものをお供えするという人も
「 鬼 」 が手をつけた後は 食べ物は腐りやすいと言い ( 匂いで分かる、という人もいるらしい )
乾物 ( インスタントラーメン 缶詰 お菓子など ) を準備し 米粒や豆粒など数の多いものも供える

台北で最も古いお寺龍山寺へ 
この数日は色々な行事が催され この日も夜にある行事のために 準備が進んでいた

龍山寺では この日に限らず 平日休日を問わず 老若男女がお参りに訪れる
化粧もばっちり イマドキの女の子たちも 線香を持ってお参りをしていくのは とても新鮮に映る


 旗には名前を記入
↑廟などが行う 「 公普 」 では 誰がお参りしたのか 分かってもらえるようにする
 わかるかな 豚さんなの
↑仏教では殺生禁止ですから パンで作ってあります
道教だと・・・ 市場などでは 大きな氷塊の上に ドバンと乗っけてあったりします

台北駅まで出ると 商業ビルの下ではテーブルを並べ お供え物がずらり 
一番の繁華街ではないとはいえ 首都を代表する駅前で 紙を燃やした灰や煙が飛び交い
それを燃やす熱気が 空気中で揺らめいたり 圧巻の景色
ちょっとまた信じられないというか 違和感のある風景だ
 けむいっす 灰が降ってます

政府広告で 「 あの世で使うためのお金を燃やさなくていいよ ちゃんと生活できてるから 」 と
亡くなった人が戻ってきて伝えるというCMがあったが 
日本では焚き火さえおちおちできない昨今 そういう観念を広げようという考えもあるのだろう

旧暦ではひと月が29日か30日のため 新暦との調整のために 「 閏月 」 というのがある
それで今年はなんと 「 鬼月 」 が2回もあるのだ! これは何十年ぶりかのことらしい
じゃあふた月ともこの行事を行わなければいけないのか?というと
特別に商売繁盛を願いたいっ!などというのでなければ ひと月目だけでいい といわれている
以前は大きな買い物も控える傾向があったため 車や不動産 結婚関係など頭打ちだったそう
今では他の月に比べても 特に遜色がなくなってきているそうだ
環境問題 経済 節約の観念 価値観の多様化
様々な理由から 昔ほど色濃くなくなったとはいえ 外国人としては
日常生活の中でよく見られる様々な信心深い様子は とても興味深いひとコマだ
聞く相手によって 考え方とか習慣とか違って 私の書いたことは 「 違う 」 という人もいるかも
あくまでも 私が見て聞いた話だけなので その時は教えてくださいねー


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banana

すごいっ!わかりやすい説明にnice!です。読みながら「へぇ~」の連発でした。毎月お店の前でお金を燃やしたりしていた意味もやっとわかって、スッキリ(^^
「お参りなんて、くだらな~い」と言いそうな外見のお嬢さんも、真剣に拝んでいる姿は、私の目にも新鮮です。
by banana (2006-08-10 17:02) 

まなてぃ

こんばんは、のんたんさん。
台湾の行事の紹介、楽しく読ませてもらました。
色とりどりのお供えものの数々。お参りもにぎやかで楽しそうに
私は見えました。(^^)
しかし信心のためとはいえ、お金を燃やすことは、私にはきっと
難しいでしょうねぇ。なんといってもお正月の初詣で500円を
お賽銭箱にいれただけで、1年は「500円も入れた」と言い続ける人間
ですからねぇ。(^^;;;)
by まなてぃ (2006-08-11 21:38) 

のんたん

banana様
どうして一般と商業関係者と違うのか、どうしてその日なのかってのは
やっぱりわからないですよねー。いろんな人がいて面白いです。
キリスト教信者は顔をしかめて"Too stupid!!"というし、宗教にかこつけて
悪いことをする輩も多く、荒稼ぎするのもいるらしいので、嫌いな人もまた多い
し、でもまあ、外から見てるぶんには、すげえ!って感じですよね。

まなてぃ様
私、500円も入れたことないですよー!!よっ!太っ腹!
書き方が悪かったですね^^;ニセの?焚きあげ用のお金があるんですよ。
黄色で赤字で何か印刷されたゴワゴワの紙。これを豪快にガーッとやります。
焚きあげ用には紙の車とか家とか洋服とか家財道具とかもあるそうですよ。
あの世で使えるように、ということらしいです。見たことないんですけどね^^;
by のんたん (2006-08-12 11:51) 

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