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映画三昧・・・③【ホテル・ルワンダ~盧安達飯店】 [映画]

この映画は海外ではアカデミー賞にノミネートされるなど 高評価だったのにもかかわらず
日本では配給会社がつかなかったため お蔵入りになる可能性があって 
公開を望むファンにより署名活動が行われたのは 何かの映画のニュースで見たことがあった



いい映画らしい
『 シンドラーのリスト 』 とか 杉浦千畝のルワンダ版 
でもとっても偉い人じゃなくて 一介のホテルマンの話らしい
そんなふうにしか聞いていなかった いつか機会があったら見てみたいな、くらいだった


キアヌの 『 イルマーレ 』 をどうしても見たくて 映画館を探してる時 
『 ホテル・ルワンダ 』 の上映もたまたま見つけた
ネット上の評判も上々 これは見てみよう!と出かけたわけです


ルワンダ内戦
聞いたことある 確か新聞で見た でも詳細はぜんぜん分からないし 覚えてもなかった
映画が始まるとすぐに これは 「胡圖人」 と 「圖西人」 の間の民族紛争問題だと分かった
あ ツチ族とフツ族だ! 新聞で見たことあるぞ この字面
ラジオに煽られたフツ族が集団化して暴徒化し 民兵となっていく姿
彼らが揃いの服で集団を傘に着せ ツチ族をたたき出そうとする姿
それらは台北の現状を思わせる ここで見てる観客もそう感じてる?って台北人の横で冷笑


ルワンダ内戦ではたった100日間で フツ族の穏健派やツチ族が約100万人虐殺された
この映画はその史実を 残虐なシーンとか悲惨な映像で見せるのではなく
ただ淡々と一人の男の姿を追っているだけだ 
最初は家族だけを守り抜こうとし 結果約1200人のツチ族たちをかくまい助けることになった
一人のホテルマンの姿を追っているだけだ 
そしてそのことが どんな映像よりもはるかに説得力を持っていたと思う
一つの家族のドラマという形式を通して 多くのことを訴えている映画のような気がする


ドン・チードル
名前は知らなかったけど いろいろな映画などで見たことのある 顔なじみの?俳優だ
ニック・ノルティ ホアキン・フェニックス ジャン・レノ 有名な俳優も顔を出している
しかし彼らはこの映画にその個性を同化させ 静かに物語を見せてくれる



今でも世界のどこかで内戦が勃発したり 飢餓が発生したり 問題を様々に抱えている
無関心とは無視よりも怖いことかもしれない
ドン・チードル扮するポールは 世界にルワンダでの虐殺のシーンが放映されることで
世界が注目し 救いの手を伸べてくれるだろうと最初は考えていた
そのシーンを撮影した記者は いみじくもこう答える



「 いや、それは違う。 このビデオを見た人は  『 あら、かわいそう 大変ね 』そう言って自分達のディナーに戻るだけだよ。」 と

 

 

このシーンは 外から映画を見ている部外者の私にも痛烈で 
かつそれも事実なのだ という救いでもあった
私は家に帰れば まったくの第三者として まさしく自分の生活に戻るだけだ

 

私があの時新聞でチラリと見て終わったルワンダ内戦への関心
その向こうでこんなことが起こっていたのだ 知らなかった 知ろうともしてなかった

 

しかし知るということは 無力ながらも大切なことでもあるだろう

ジェノサイドの丘〈上〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

ジェノサイドの丘〈上〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

  • 作者: フィリップ ゴーレイヴィッチ
  • 出版社/メーカー: WAVE出版
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 単行本

ポール・ルセサバギナ自身の自伝 “ An Ordinary Man ” の日本語訳も刊行予定とか

「 無知の知 」 という言葉もある 私は読んでみようと思った


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コメント 7

ルワンダ内戦・・・聞いたことがある程度でした。
今 世界にどんな事が起こっているのか?と聞かれたら
答えられないんでしょうね。
その時は涙しても、夕食を食べる時にはもう関心が薄れてしまう。
痛烈です。
情報過多といっても一部だけ・・・。うーん考えさせられます。
by (2006-11-02 12:23) 

こまちゃん

戦争も大変。。。
でも、単に生きるだけでも大変な人(地区)は、一生つきまとうんですよね。

そう考えると、ふとこんな疑問が頭を過ぎりました。
「砂漠であっても喰える南疆人は、まだ恵まれているのか?
そう言う環境を与えている中国って、有る意味凄い国なのか・・・!?」
って。。。
何もない大地でしたが、人が住む所には家畜も居て食糧も豊富。
バスで数百㌔行けば、近代化している立派な町もあり、世界の様子も判るし。。。
by こまちゃん (2006-11-02 16:35) 

param

北京留学していた時にルワンダの留学生がいました。
内戦が起こった時にふるさとに帰るに帰れなくなった彼の姿を見て
何と声をかけて良いのか分かりませんでした。
その後何となくやり過ごしてしまった私でした。
何処か遠くの国で起こったこと・・・と片付けられてしまいがちですが、
のんたんさんのおっしゃるとおり「知るということは 無力ながらも大切なことでもあるだろう」に大賛成!私もこの本、読んでみようと思います。
by param (2006-11-02 17:30) 

のんたん

しゃおたお様
情報を取捨選択することも、できるようになることもとても大切と思います。
でもそれ以前に「世界」がどの情報を「一般市民」に流すかってのを決め
ちゃってて、それは例えば国内で選挙があるから、とか国際世論を味方に
したいから、とかそういう事情があるんだなって、映画を見てて思いました。
この映画はでも肩肘張らずに、家族愛の映画として見れました。
もしよろしかったら、いつかご覧になってみてください^^
記者役のホアキン・フェニックス、わたし好きですわ~。しぶい。せくすぃ~♪
by のんたん (2006-11-04 01:07) 

のんたん

こまちゃん様
人々が暮らしていける、というのは偉大なことですね。
世にはストリート・チルドレンなんて暮らしもあるわけですから・・・
偏見とか憎しみとか、そういうのを越えるにはどうしたらいいのかな
って思います。台湾でも台湾人と外省人とか、ありますもんね。
大家さんが私と話したくてウズウズしてるみたいなんですけど、私はその
匂いをかぎつけて、部屋にこもってまーす^^(陳水扁汚職問題について!)

param様
そんなことがあったのですかぁ・・・
確かにそんな時どうやって声をかけたらいいのか、分からないですよね。。。
知ったかぶりをしてるつもりはもちろんないけれど、知らないことに出会った時
ああ、知らないことってたくさんあるんだなって素直に思いたいです。
そして知らないことに出会ったら、少しでも知ろうとしたいです。
そんな殊勝な気持ちになった秋の午後でした~・・・(いやぁ最近冷えます)
by のんたん (2006-11-04 01:20) 

こまちゃん

>陳水扁汚職問題について
台湾は、この手の話も自由ですよね。
上海市長から中央にのし上がった陳良宇汚職問題に関しては、大陸では迂闊に電波には出せないみたいですが、香港放送が見られる広州にいたこまは、上海人が率直な意見を述べている報道番組を見ました。
彼ら、今頃元気にしているのでしょうか?(中央は監視している・・・(~~;)
by こまちゃん (2006-11-05 14:16) 

のんたん

こまちゃん様
ん~自由というか、一方的ですね。
これが民進党や阿扁じゃなかったら、出てこなかった話ではないかな、と。
もちろん戒厳令が敷かれていた頃に比べれば格段の進歩なのでしょうが
こと政治と報道・メディアにおいて、台湾もまだまだ未成熟だと思います。
by のんたん (2006-11-06 02:56) 

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